コントレラス療法「ガンに効くリトリール」 今村光一著 (1999年10月発行) より
メキシコのティファナ市は、ガンの自然療法では世界のメッカになっている。最近はやや変わりつつあるが、自然療法を弾圧するアメリカの医療ファッショは、少なくともこれまではひどかった。だから、それを逃れたアメリカの医師たちは、メキシコのティファナ市に病院を作り、ここで医療活動を始めるようになった。
コントレラス病院もアメリカ国境から車で20分ほどのティファナ市にある。E・コントラレスSr.博士は、病院を創立してから約30年、10万人ものガン患者の治療に当たってきたが、その70%はアメリカ人患者である。彼らは、医療ファッショの国 アメリカでは行なわれていない自然療法を求めて、国境を越えコントレラス病院やゲルソン病院など、ティハナ市内のガン病院に入院したり通院治療を受けてきたわけだ。
自然療法の父マックス・ゲルソンが「ガン食事療法全書・・・一つのガン療法、50人の治癒例」を刊行したのは1958年であった。 この本はゲルソンの療法を詳細に説明すると同時に、この療法でガンを克服した50人の患者を詳しく紹介したもので、以後、ガンの自然療法のバイブルとして数え切れないほど多くの患者を救ってきた。
しかし、なにしろ50余年も前の本である。そこで今では同じ自然療法の中でも、その後のさまざまな研究の成果を取り入れて、この本に書かれた治療手段のほかにもいろいろな新しい方法が追加されている。 ティファナのコントレラス病院の療法もその一つで、多くの末期がん患者を救ってきた病院である。
コントレラス療法では、その食事療法で実施する食事を『リトリール・ダイエット』と呼んでいて、その内容は下記のようになる。リトリール・ダイエットと呼ぶのは、リトリール(アミグダリン)がコントレラス療法の代名詞のようになっているからである。
次のような食事を「厳格なリトリール・ダイエット」と呼んでいてガン治療開始から数ヶ月は実行する。
- 飲み物・・・薬草茶 絞りたての野菜 果物ジュース 自然な水 自然な香料をつけたミネラルウォーター
- パン・・・全粒紛のパン・・・小麦 ライ麦 多穀パン ふすまパン
- 穀類・・・ソバ とうもろこし 引き割り小麦 キビ オート麦 引き割りとうもろこし 玄米 亜麻の種 レーズン入りふすま 自然な多穀シリアル・・・酪農製品・・・無脂肪乳だけはよし
- 卵・・・摂ってはいけない
- 果物・・・新鮮な果物は全て
- 野菜・・・生か調理仕立てのもの
- 芋・根菜類・・・焼くかゆでたもの
- サラダ・・・新鮮なものか冷凍の野菜・・・人参 カリフラワー セロリ チコリ ピーマン レタス ラディッシュ クレソン たまねぎ 完熟トマト カブ 芽キャベツ ブロッコリー
- 肉類・・・鶏肉で脂肪がなく皮をむいたものを少量 1日90グラム以下 週3-4回まで
- 魚類・・・白身魚で出来るだけ新鮮なもの
- 脂肪・・・1日に小さじ1杯程度まで
- ゴールド・プレスの植物油 べに花油 ごま油 亜麻仁油 オリーブ油 ごく少量の無塩バター
- ナッツ類・・・新鮮で生で塩味をつけていないもの
- 調味料・・・エジネギ ニンニク たまねぎ パセリ マヨナラ セージ タイム キダチハッカ ヒメウイキョウ オレガノ 月桂樹 唐辛子 野菜ベースの調味料 カリウム塩
- スープ・・・生または冷凍野菜 鶏肉を材料にしたスープ・・・但し こし布で脂肪を完全にこしたスープ
- デザート・・・この表で許されている食品を原料にして造る自家製のもの 生の果物 自然なゼラチンで果物ジュースで甘味をつけたもの キャロブや人参ケーキ オート麦クッキー メイプルクッキー 漂白していない糖蜜 大麦モルト
- 甘味料・・・少量の無殺菌蜂蜜 メイプル・シュガー 漂白していない糖蜜 大麦モルト
その後、患者の状況に応じて「ゆるやかなリトリール・ダイエット」に移行するが次のような食品も許される。
- 乳酪製品・・・少量のバター・ミルク・・・バターを造る時にバターを取った後に残る脂肪のないミルク
- 無脂肪のカッテージチーズ 無脂肪のヨーグルト
- 卵・・・週に3回までのポーチド・エッグまたはゆで卵
- 果物・・・漂白されていないドライ・フルーツ
- 肉類・・・週に2回まで・・・有機農法で育てられた鶏肉 羊肉 七面鳥の肉 子牛の肉を焼く・煮る・グリルにしたもの・・・ただし鳥肉類は必ず皮をむいて取り除くこと。豚肉はどんなものも厳禁。
コントラレス療法では、食事療法と併せて「代謝療法」といわれる療法を使う。これは自然な薬理物質や栄養物質を使う療法のことである。この中で使うリトリール(アミグダリン)は、コントラレス療法の代名詞のようになっている。リトリールはこのうちでも「自然な抗ガン剤」として知られている。
リトリールはアミグダリンともビタミン17とも呼ばれていて、製剤としてはあんずの種から作られている。代謝療法で使う製剤としてのリトリールは、この成分を抽出・濃縮したもので、コントラレス病院のケム研究所で製造しているものは、注射液は1本3グラム、錠剤は1錠に0.5グラムを含んでいる。
コントラレス療法の中で、食事療法と並ぶ重要な柱の一つである代謝療法の中では、このリトリールのほかに酵素剤、ビタミンA・C・Eなどのビタミン剤、セレニウム、カリウムなどのミネラル類、それにメキシコの各種薬草製剤、鮫の軟骨、さらに患者によっては日本のゲルマニウム(浅井ゲルマニウム)などが使われる。