目次
01章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-01/
02章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-02/
03章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-03/
04章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-04/
05章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-05/
06章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-06/
07章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-07/
08章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-08/
09章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-09/
10章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-10/
11章 https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-11/
あとがき https://isbe.space/nocancer-00/nocancer-12/
まえがき
現在の科学界の傲慢さと政治的な利権のもとで、数百万もの癌患者やその家族たちが、悲惨で高価な犠牲を払わされている。まず第一に、この本をそれらの人びとに捧げたい。この本の物語は、おそらく、一般国民の方がたにも強い義憤の念を引き起こすのに役立つであろう。それによってこそ、この許しがたい権力の厚い壁を打破し得ると確信する。
この本に載せてあるいろいろな資料は、多数の方がたの指導と援助のおかげであり、それがなければ、とても書き上げることはできなかった。
まず何よりも、ジョン・A.リチャードソン博士に負うところが大きく、博士からは長い期間、その「ビタミン療法」の重要性を教えられ、頭のよくない筆者にも、その重要性がよく理解できたことを感謝したい。また、途中でたくさんの難問につきあたったが、絶えず励まし続けてくれた妻の内助の功のおかげで、何とか辛抱強く切り抜けることができた。
さらに忘れてならないのは、このビタミン療法を研究開発したE・T・クレブス二世博士に非常に面倒をおかけしたことである。博士には、信じられないほど忍耐強く、膨大な科学的内容を完全に近いまで説明していただいたし、また何回でも、専門外の筆者が理解できるまで解説を繰り返していただいた。
このほかに、いろいろな人びとから激励やご支援を受けたことを深く感謝したい。
G・エドワード・グリフィン
序文
この本を書いている現在でも、癌の治療に「レートリル」(ビタミンB17:以下、この訳書では「B17」と略記する)を使用することは、アメリカの食品医薬品局(FDA)によって禁止されている。アメリカ国内では、誰も、B17を製造、販売、使用しても、州境を越えて輸送しても、あるいはその使用を人にすすめても、法律の取り締まりを受けるし、場合によっては、罰金刑ばかりでなく禁固刑を受けることすらある。
だから、この本ではB17の側に立って弁護もしているが、私は医者ではなく調査員で、治療を施すことができない立場にあり、B17を癌治療にすすめることもできないことを前もって明らかにしておきたい。
かりに、読者の皆さんが、事実やいろいろな所見に対して共鳴され、B17を買い求めたいと思った場合は、この本の「すすめ」の結果ではなく、自分の評価や判断による行動だと考えていただきたい。
私がB17という言葉を聞いたのは、1971年の夏である。その頃、私とジョン・A.リチャードソン博士はオレゴン州で、そこの美しい自然を楽しむために、何日かの休暇をともに過ごした。
立派で熱意のあるこの博士が持ってきた旅行カバンの中には、釣り道具はなく、「人体の癌治療法におけるL-マンデロニトリル・ベータ・グルクロニサイド」などといった、むずかしそうな書物や書類、論文などがいっぱい詰め込まれていた。
このような話題について、私は初め、何か「陸橋の携造体における内部圧力について」の話でも聞いているかのようで、うんざりした。確かに、この話は、関係する理論や公式の細かな点にいたるまで、その専門分野を理解できる医師や技術者にとって、きわめて関心の深い、また魅力の多いテーマである。しかし、私にとって、こんな話よりも、よく繁茂した森の緑や小川のせせらぎのほうがずっと関心事であり、私の我慢も限界に達していた。
しかし、旅の道連れに選んだ博士は、ブルドッグのような頑固さで粘り強く語り続けた。そして、そのまま雑誌の記事になるような原縞のコピーを示した。それを読んでまず気がついたのは、「ビタミン療法は癌治療に有効である」という証拠がたくさんありながら、これが広く一般の人びとに知られるのを妨げる強力なカが支配していることであった。
この話を聞いたときに、誰もが反応したように、私も「いったい誰が、この貴重な癌治療法の実施を邪魔しているのか」と懐疑的な質問を繰り返したのを思い出す。そうした会話を続けていくにつれて、私の「癌」に対する関心が呼び起こされ、初めは全面的に信じてはいなかったのに、次第に博士の調子に乗せられてしまい、この二十世紀最大の驚くベき実話の一つがその真相を現すことになったのであった。
懸命に書きおろしたこの本の中には、少なくともこの物語のハイライトと、博士にお尋ねした「いったい誰が」という質問に対する回答が十分示されているものと、私は深く信じている。
1974年9月10日
G.エドワード・グリフィン