目次
十訣 https://isbe.space/taichi-1/
24式 https://isbe.space/taichi-2/
42式 https://isbe.space/taichi-3/
32剣 https://isbe.space/taichi-4/
85式 https://isbe.space/taichi-5/
太極拳 はじめに
気功治療の実践 片野貴夫著 より
太極拳の創始者は陳王庭という、明(1368年 – 1644年)と清(1644年-1912年)の時代の境目に生きた人です。明のときは護衛官でしたが、明が滅びて清になったときに野に下り、陳下溝という村に帰ったのです。そこは農村ですが、一生懸命作物を作っても実ったころには馬賊が来て暴力でみんな奪ってしまうのです。
陳王庭は何とかしなければと思いましたが、自分一人ではどうしようもありません。そこで村にいる人を動員して馬賊と戦える軍隊を作ろうとしました。ところが、村には若い人が少なく、老人、女性、子供ばかりです。普通ならばこれであきらめてしまうところですが、彼は、老人、女性、子供であっても戦える武術を作り上げればいいと考えたのです。太極拳は富国強兵の発想から生まれたものだったのです。
私は、太極拳のらせんの力がわかった時には仰天しました。今、私の教室には小学校5年生の女の子が来ているのですが、その子は、学校の番長に手を捕まえられて、とっさに肘のらせんを使ったら、相手の体が飛んでしまったそうです。そういうふうに太極拳とは、子供でも大人を飛ばせるという戦闘武術なのです。また、太極拳は16種類の武術に気功を入れたものですから、体の悪いところは強くなり、悪くなった内臓だってみんな治ってしまうのです。
太極拳は本来気功の入った武術です。現在、太極拳を指導している多くの指導者は、太極拳本来のらせんの力を知らないものですから、先生と生徒の差を見せつけるために、どうしても深い姿勢をとるようになり、それを長く続けているうちに、腰や膝を壊してしまうのです。
筋肉を鍛えるとき、指導者は荷重をかけるのは避け、回数を多くすることで同じ効果を出すように考え直してほしいと思います。酸素を取り入れながら無荷重でやることです。荷重をかけて作った筋肉は役に立ちません。回数を多くすることで素晴らしい筋肉と肉体ができるのです。